おおつぼ小児科

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一般的な病気やけが

小児科全般

発熱

洋服を着こむと熱がこもり、体温が高くなりやすいです。肌着だけにして1時間後にも37.5度以上ある場合は発熱していると考えられます。生後3か月未満のお子さんの場合は、早めに当院もしくは連携医療機関にご連絡ください。生後4か月以降のお子さんの場合はぐったりしていなければ翌日の受診で問題ありませんが、心配な事があればご連絡ください。

風邪を引いた時以外でも、横になる、夕方から明け方の時間帯、天気が悪くなると咳が強くなりやすいです。夜咳が強かったが日中は軽快している場合でも、夕方以降にまた強くなる事があります。下記の様な咳やご家族が気になる咳の場合は、動画を撮影し受診時にお見せください。

①痰がらみの咳

鼻水が喉に流れて痰になる咳と、肺から上がってきた痰がからむ咳の大きく二つに分かれます。鼻水が垂れこんで痰になる咳が主であれば鼻水を止める事、肺から上がってきた痰による咳が主であれば気管支のむくみを取る事が主な治療となります。家や園での状態を聞き診察をして、痰がらみの咳を起こす原因を判断し、治療方法を提案します。

②強い咳

園で指摘を受ける、夜咳で起きてしまう、ご家族が強いと思う咳の場合は受診が必要と考えられます。問診と診察から原因を探り、治療方法を提案します。

③喘鳴(ぜいめい)

ゼイゼイ・ゼロゼロ・ヒューヒューが聞こえる、胸がベコベコしている時は、気管支が強くむくんだ状態が考えられます。鼻水や鼻づまりが原因でゼロゼロしている場合は、鼻吸引により音が消失します。そうでない場合は通常の風邪薬に加えて気管支のむくみを取る薬が必要となります。早めに当院もしくは電話相談・連携医療機関等にご連絡ください。

④嗄声(させい)

風邪等により声帯の周りがむくんだ結果として、犬がケンケン・バウバウ吠えている様な咳、かすれた声や咳、息を吸う時にヒューヒュー等が起こる事を嗄声と言います。夜に突然出現することが多く、数時間で声帯周囲のむくみが強くなり息苦しくなることがまれにあります。早めに当院もしくは連携医療機関等にご連絡ください。

下痢

元気で食欲があれば、食事をとって問題ありません。通常の食事量だとお腹の動きが急に早くなり腹痛・嘔吐が起きやすいので、ゆっくりと小分けにして食べる方が安心です。おしりをしっかり拭いていると皮膚が赤くなり皮むけを起こすので、水で洗い流しガーゼタオル等で軽く触る様に拭いてください。いったんおしりが赤くなると治すのに時間がかかりますので、下痢が始まったら皮膚保護剤を塗り始めてください。便の性状が気になる場合は写真を撮影し、受診時にお見せください。

熱性痙攣

発熱してから24時間以内に痙攣や意識消失を起こす疾患です。6歳までに起きる事が多いですが、小学生になる頃にはなくなります。1回だけ起こすお子さんは全体の約5%、その内30%のお子さんは痙攣を繰り返すと言われています。
以下の情報と診察所見から救急隊員や医師が、精査が必要かどうかを判断します。
〇発熱から何時間後に痙攣が起きたか
〇何分間どのような痙攣が何回起きたか
〇痙攣が止まって何分後に意識が戻ったか

熱性痙攣の多くは数分で止まりますが絶対とは言えませんので、当院・電話相談室・連携医療機関に相談する事をお勧めします。解熱剤を使っても痙攣を引き起こす事はありません。お子さんがよく起こす病気の中で一番慌ててしまうと思います。YouTube等の動画で熱性痙攣とはどのようなものか見ておくと、もしもの時に気が動転することはなくなると思います。

嘔吐等による脱水

活気がない、ぐったりしている、水分を欲しがらない・飲まない等があれば、脱水を補正する状態です。アメリカ疾病管理予防センター(CDC)では、軽度から中等度の脱水症に対して3-4時間で体重(㎏)x50-100mlの経口補水液の摂取を推奨しています。しかし10㎏のお子さんだと500-1,000 mlを数時間で飲用させるという、大変な水分量です。
嘔吐等が続くとまずは脱水が心配ですが、小さなお子さんは血糖調節の予備能力が少ないため低血糖にもなりやすく、低血糖でさらに嘔吐が誘発されるため、水分と糖分の補給が重要です。経口補水液やスポーツ飲料はさらに塩分も入っていて理想的ではありますが、①お子さんの好きなジュースの方が飲ませやすい、②ジュースの方が糖分を多く含むため、少量の水分で糖分を補充できる、という2点から、まずは果汁ジュース等の糖分が入ったお子さんが好きなジュースで問題ありません。
嘔吐があった場合は吐気止めがあれば使用し、1時間は飲食を控えてお腹を休ませてください。その後小さじ1杯のジュースを10-20分毎に摂取し、水分と糖分の補給をお勧めします。一度に沢山飲むと嘔気を誘発しやすいので、少量ずつが安心です。4-5時間後に嘔気がなく食欲があるならば、消化のいい食事を始められると思います。

胃腸炎関連けいれん

ウイルス性胃腸炎の時に、30秒から数分間の痙攣を何回も繰り返す疾患です。痙攣は、体が硬くなり手足がガクガクと動く型が多いです。抗痙攣薬の1回内服で繰り返す痙攣を抑制できます。一時的な痙攣であり、脳の発達等に影響はありません。また胃腸炎のたびに繰り返すこともほぼありません。

便秘

治療が必要な便秘とは、2日間以上便が出ない・排便時に強く踏ん張る・便に血が付く等がある場合です。生後3か月頃や離乳食の開始頃から、便秘が始まることが多くなってきます。何日も便が出ない状態が続いていると便がより固く大きくなり、さらに出づらくなります。また便の摩擦によって、ぢになる場合があります。
外用薬や内服薬で便の硬さを調節していくと、毎日便意を感じて自分で踏ん張りスルッと排便できるようになります。便秘は癖になりますが、便秘治療薬は癖になりません。当院ではお子さんにあった食事法・薬の選択・トレーニング指導等をしていきます。
1歳6か月以降のお子さんでは内服薬等で便を柔らかくして、ステップやおまるを使った踏ん張りやすい和式スタイルでのトイレトレーニングをお勧めします。
また嘔気や腹痛を繰り返す場合、毎日便が出ていても便がたまることによってそのような症状が出ることがあります。

夜尿症

5歳未満はおねしょですが、5歳以降は夜尿となり治療の対象とはなります。小学校入学後に夜尿があれば、治療を始めてもいいと思います。小学校の宿泊行事までに治したいというご家族も多いです。まずは生活習慣で改善できる箇所がないかチェックします。便秘があると膀胱が圧迫されて夜尿しやすくなります。毎日出ていても溜まる量が多いと便秘です。
治療は大きく分けて二つあり、夜尿アラームと治療薬です。治療を開始しても改善が見られない場合は、血液検査・尿検査・レントゲン・超音波検査等で病気が隠れていないかチェックするため、ご希望の大学病院等へ紹介しています。

頭部外傷

どこからどこに落ちたか、どんな物のどこにぶつけたか等、写真を撮っておくと受診時に説明しやすいかもしれません。
生後3か月未満、80㎝以上から落下、5㎝以上の血種、ぐったり、嘔吐等がある場合は骨折や頭蓋内出血の可能性もあるため、大学病院等の脳神経外科へ紹介します。ゆっくりと頭蓋内出血が起きている場合もあるため、24時間は異常がないか観察が必要です。

肥満

肥満は脂肪細胞の数が増えるか、個々の脂肪細胞に脂肪が貯まるかで起こります。
3歳までは脂肪細胞の数が増えて肥満になりやすく、その後は脂肪細胞の数は増えずに個々の脂肪細胞が脂肪を蓄積して肥満になります。脂肪細胞数が多いお子さんは脂肪細胞数が少ないお子さんより多くの細胞で脂肪を蓄積できるため、高度な肥満になる傾向があります。このことから、3歳まで脂肪細胞の数をなるべく増やさないようにする事が重要ではないでしょうか。
一度増えた脂肪細胞は、その後減ることはありません。現在1歳までの肥満は成人肥満との関連性は低く食事量の制限等は必要ないと言われていますが、良性肥満として何もしないでいいかはさらなる検証が必要ではないかと考えられます。
1歳から6歳までの肥満のお子さんの25%が成人肥満に移行します。この時期まで継続的な身長・体重の計測と評価を行い、それと同時に健康的な生活習慣を身に付けさせる事が肥満予防に重要です。
学童期の肥満のお子さんの40%が、思春期の肥満のお子さんの70%が成人肥満に移行します。年齢が上がるほど生活習慣が定着しているため、平均体重に戻すことが難しくなります。

低身長症

100人が身長順に並んだ時の前から2人が低身長に当てはまります。母子手帳の身体発育曲線の黄色枠からはみ出る期間が続く場合は、当院で身長・体重の発育をチェックします。検査が必要な場合やご家族が心配な場合は、希望する大学病院へ紹介します。
一般的に大学病院では最初に病気が隠れていないかを調べ、必要であれば負荷試験を行います。負荷試験はベッド上で安静を保てるお子さん(4歳頃以降)で、3日間の入院で検査を行う場合が多いです。その結果により、成長ホルモン補充療法の適応があるかを判断します。

SGA低身長症

下記の2つを満たすお子さんで、身長が出生日から数えて2歳までに−2SD以上に達しなかったお子さんは今後も標準身長に追いつかないと言われていて、成長ホルモン補充の適応となります。
〇出生身長・体重が在胎週数相当の10%タイル未満である。
〇出生体重または出生身長のどちらかが在胎週数相当の-2SD未満である。

*10%タイル:同じ在胎週数で出生した100人を小さい順に並べた時に、小さい方から数えて10番目。
*−2SD:同じ在胎週数で出生した100人を小さい順に並べた時に、小さい方から数えて2~3番目。

まずは当院で現在までの成長(身長・体重等)の評価を行い、出生時の%タイル・SDを計算します。ご希望があれば大学病院へ紹介します。

一般的な病気

一般的な病気

〇かぜ:熱、せき、のどやおなかのかぜなど
〇流行の病気:溶連菌、手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱、おたふくかぜ、水痘、マイコプラズマ、新型コロナ、インフルエンザ、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス等
〇呼吸器の病気:気管支炎、肺炎、クループ症候群など
〇おなかの病気:げり、おうと、腹痛、胃腸炎など
〇その他:便秘、ひきつけ、夜泣き、おねしょ、身長の悩み、体重の悩み、
貧血、膀胱炎、尿路感染症など